2008年6月30日月曜日

油性離型剤の塗布方法

油性離型剤の塗布方法に付いて説明します。
油性離型剤は、現在高価な物で、0.5cc単位もしくは、0.1cc単位で
塗布量をコントロールする必要が有ります。
スプレーシステムで、塗布量が少なくなればなるほどコントロールが
難しく成り、又その塗布量を再現する為には今までのスプレーシステムから
発展させた物で無いと実現出来ません。
水溶性の離型剤ですと細かな霧にする様にスプレーを行いますが、
油性離型剤では、その逆で適度な霧の大きさにしないと、金型に付着しません。
よく見かけるスプレー装置で、ニードルで量を調整する物が有りますが、
金型を交換して、その金型に応じて離型剤の量を調整して鋳造をし、
次の日当たりに、前鋳造していた金型に交換した場合、離型剤の量は
元に戻せるでしょうか?又、塗布する霧も細かい物です。
スプレー装置のメンテナンスを行った時、ニードルを掃除した場合、
A型、B型、C型等が有る場合、離型剤量を元の量に再現出来るでしょうか?
相当熟練した人なら有る程度の所まで、出来るかも知れませんが、
まー無理だと思います。

油性離型剤の流量を測定する事を試みましたが、125トンクラスで、0.4ccと
きわめて少量で有るため、それに対応する流量計が現状無い状態です。
水溶性離型剤に関しては、出量が多い為、流量計で測定出来、離型剤の出量によって
判定出来るシステムは有ります。
上記のスプレーシステムは、当社にて扱っております。(宣伝でーす)

2008年6月28日土曜日

油性離型剤を使ってやりやすい金型

最初は無理をしないで簡単な物からやり始めると良いかと思います。
油性離型剤を使って、最初にやりやすい金型とは?
スライドが多く有り、実際の鋳造品より金型が大きい物。
製品が小さく、他数個取りの金型がやりやすいでしょう。
上記の物で、肉厚が有る製品は避けた方が良いでしょう。
意外と簡単にやれてしまう事も有ります。
ただ、油性離型剤はシリコン系がほとんどで、金型温度が高い部分
約300℃~400℃になる部分にシリコンが燃えて炭化物が付着してきます。
溶解材料が金型に焼き付きを起こした様な肌が鋳造品に出てきます。
水溶性離型剤のシリコン系でも似た様な現象が出てきます。
原因は、金型温度の上がり過ぎと、離型剤塗布量が多い事が代表されますが
離型剤のシリコン量を調整しても有る程度解決する場合が有ります。

2008年6月27日金曜日

金型の内冷

油性離型剤を使い一番内部冷却で問題となるのが、固定型スリーブ、分流子、小径ピン、
フィン(羽形状部)でしょう。
水溶性離型剤の様に、大量に吹き付けて外冷を行う事が出来ないので、内部冷却を強化しなければならない事です。
元々、金型温度が上がらない型に対しては分流子、固定スリーブの内部冷却強化で行けますが、
その様な金型は、20型に1型か?30型に1型程度でしょう。
この内部冷却が出来なくて、油性離型剤での鋳造を断念、挫折が始まります。
たまたま、油性離型剤で鋳造が出来たとしても、サイクルタイム短縮が出来ない、
連続生産が出来ない、焼き付き、トラレが多発するなど、生産管理を行ってい部署からは、
「油性離型剤なんかやめちまえー」の声が大きくなる事でしょう。

2008年6月26日木曜日

油性離型剤を使用する為には?

油性離型剤を使用するに当たり、何が必要か?何をやらなくてはならないか?ですが。
やはり、金型の温度を把握する事が一番でしょう。
現状の金型温度(表面温度)が何度になっているか?知る必要が有ります。
手っ取り早いのが、サーモグラフィーで映像を取り把握するのがベターで有ると思います。
非常に高価ですが、サーモグラフィーを使い金型温度を撮った瞬間に金型温度に対する考え方が変わります。
サーモグラフィーを使用しないで温度測定をする場合は、レーザーを使った温度測定機で有り、接触温度計が有りますが、いずれにしても、ピンポイントでしか測定出来ません。
金型温度を把握したら、今度は金型冷却です。
金型冷却と言っても、現状のダイカストメーカーでは、押すだけの冷却方法が一般的の様です。
私の冷却方法は、4つ
1.通常に押冷却
2.強く押冷却(小径ピンなど)
3.引く冷却
4.間欠で、押したり引いたりする冷却
この4つを組み合わせて金型冷却を行います。
油性離型剤を使用して鋳造を行うに当たり、問題点がここに有ります。
水溶性離型剤を使う場合、多少金型温度が高かろうが、離型剤を多めに塗布して金型を冷やしますが、油性離型剤ではそれが出来ません。
金型の内冷に頼るしかないのです。
内冷に頼ると言う事は?次回

2008年6月25日水曜日

油性離型剤で鋳造すると何が良いの?

油性離型剤を使って鋳造すると、何が良いか?
一番はっきり出てくるのは、「金型のヒートクラック発生」が少なくなります。
5000ショット程度で出てくるヒートクラックが、10万ショット、15万ショット
鋳造しても出てきません。
しかし、あまり変な見切り形状部、シャープ形状部、極端な肉厚変化部に
付いては、出てくる場合が有ります。

2番目は、鋳造条件が変えられます。
1.高速射出速度を落とせる。
2.合金の溶解温度を落とせる。
3.型締め力を落とせる。
4.金型の設計が変えられる。
今回は良い事ばかりを記載しましたが、
次回は、悪いこと、油性離型剤で鋳造する為に何を
行わないとダメなのか?を紹介します。

2008年6月24日火曜日

ダイカスト油性離型剤とは?

油性離型剤に付いて、色々紹介をさせて頂きます。
油性離型剤??20年以上前から有ったのでは??と
言う方もおられるのでは無いかと思いますが、
20年以上前は、灯油で離型剤を希釈して、水溶性のハンドスプレーガンで
吹いていました。
吹き量も水溶性と同じか、やや少なめ(少なく吹く事が出来なかった)
作業環境は悪く、ダイカストマシンの前で作業している人は、時々
嘔吐が襲って来るのが現状でした。
自動スプレー装置も有りましたが、灯油で希釈している為、
引火点が低い事も有り、自動化が進みませんでした。
今の油性離型剤は、引火点も高い物で自動スプレーで塗布しても
安全な物になっています。